■■ 発表の要旨と感想 ■■
発表者1:武田牧人先生
【要旨】
現象学の基本的な考え方は以下の通りである。「誰でも自分の心を内省して、ここまでは確実だといえるが、あるところまでいくと、そこから先はどうしてもそれ以上確実なことが言えないという分岐線にぶつかる。しかし、誰でもその分岐点を意識できるし、言うことができる」。
これは、懐疑主義・相対主義に立つものでもなければ、客観科学主義・真理主義に立つものでもない。つまり、「確実なものなど何もない」ではなく、「確実なものと、確実でないものとの区別の根拠を、自分は自分の中に持っている」ということである。
こうして、認識を「真偽」の問題から、「確信の根拠」の問題に編み変えた点で、ヨーロッパの認識論の歴史に決定的な転回をもたらした。
以上の認識の立場からの質的分析を医療・看護分野から二例取り上げた。
(武田)
【感想】
このご発表をきっかけに、参加者より「
発表者2:上條純恵先生
【要旨】
高度な日本語力を必要とする日本語ディベートは第二外国語学習者にとっては敷居が高い。チームに入ってきても、続けられずに途中で辞める学生も少なくない。大会出場まで、残った学生は活動にどんな意義を感じていたのかを可視化することを試みた。
【感想】
表題の「日本語ディベートチームに参加する意義」と、リサーチクエスチョンの「なぜ日本語ディベートチームを続けたのか?」の本質が矛盾しているのでは、というご指摘がありました。「意義と動機の定義が違う」というのがご指摘の根拠でしたが、語彙の定義にこだわるより、上條先生より提起がありました、「これらのデータをどういう方向でまとめて発表していけばいいか」ということのほうが大切であり、さらにはこの結果を教育現場でどう活用していくか、ということに重きを置くべきでは、と感じました。来週九州でご発表されるとのこと、ご健闘を期待しております! (文責:田中)
■■ 次回へ向けて ■■
TAE台湾研究会の皆様;
昨日、第9回(夏休み2回目)の勉強会を、
皆様ご協力の下、無事開催することができました。
本当にありがとうございました。
今回の内容詳細につきましては、
近いうちにTAE台湾HPにアップしてもらう予定です。
また、今後の活動については、以下のように計画しています。
・次回第10回勉強会は11月、台北にての開催を予定。
内容は、久々の読書会です。
竹田青嗣『中学生からの哲学「超」入門』筑摩新書
発表予定者は上條純恵先生、陳姿青先生、田中の3名です。
・11回目以降の勉強会は、2013年12月(
・TAE台湾研究会の安定的継続を目指し、周りで質的研究等に興味を持っている方々にも新たに加入してもら
以上、宜しくお願いいたします。
田中綾子