2013年11月23日台湾TAE勉強会(読書会)のまとめ
課題本『中学生からの哲学「超」入門-自分の意思を持つということ』竹田青嗣(2009)
発表1:上條先生(第2章)
「宗教」「哲学」「科学」の違いを中心に
「宗教」とは物語的で教祖と信徒が存在し、生の意味に迫るもの。
「哲学」は概念と原理からなり、本質を追求するもの。
「科学」はあらゆることを実証することに意味があり、それらには当然ながら限りが存在する。
発表2:陳姿菁先生(第3章)
自分の「自己ルール」と他者の「自己ルール」を互いに「相互承認」させて、社会が成り立っていると言うこと
人間の欲望の本質はゲームのようなもので、子供は母親によって作られたルールに則って生き、社会は暗黙の「権力」によって作られたルールゲームを行っている。そのような社会では、「殺人をしてはいけない」という理由には二つの側面がある。1つは、「自由」は「相互承認の意志によって確保されている」という社会ルールである。もう一つは道徳の側面からのものである。つまり、人を殺したら「『人間的に』生きるための自分の中の根拠を自ら投げ捨てること」になるからである。
発表3:田中(第4章)
「自分の意思を持つこと」について
現代の一般欲望は、資本主義という競争の経済の影響を受け多様化するどころか、逆に普遍的(セレブになりたい、いい会社に入りたい、等)なものとなっている。このままでは幸せな人生を送れる人の割合はごく2割程度になってしまう。そこで、そうした自分の「欲望」について、「自己ルール」を再確認して再吟味しなおす必要がある。自分の生への意思を持つ、それが「本質」そのものである。
※ 次回以降の課題本候補
「質的研究のための現象学入門―対人支援の「意味」をわかりたい人へ」
http://books.rakuten.co.jp/rb/6250482/>
「はじめての質的研究法(教育・学習編) 事例から学ぶ」
http://books.rakuten.co.jp/rb/4448705/